Morocco – Marrakech 2 –
マラケシュ2日目は市内の観光地巡りや、現地に住んでいる友達の友達にオススメのスポットを案内してもらいました。
マラケシュの街は赤い土の壁が印象的です。新市街は高層マンションなどもありますが、旧市街はこのような低い2〜4階建ての建物が軒を連ねます。また街のあちこちに水汲み場があります。
モロッコの市場には二種類あり、アラブ人の市場はイスラム教の安息日により金曜日がお休みで、ユダヤ人の市場は土曜日がお休みです。
必ずどこかお店は開いているので助かります。値段交渉は面倒ですが、笑。
朝一番にPalais de la Bahia(バイア宮殿)を訪問。
細かな木彫りの装飾が綺麗に残っている宮殿です。
パティオ(中庭)での静謐なひとときは瞑想をするのにぴったり。
イスラム教国では「ファーティマの手」と呼ばれる護符が使われています。こちらのファーティマの手はドアをノックするための装飾です。
その次にユダヤ人街に向かい、初めてユダヤ教の会堂であるEl Azama(エル・アザマ)と呼ばれるSynagogue(シナゴーグ)の中に入ってきました。ひっそりと佇む青と白のコントラストが素敵なシナゴーグには、イベリア半島のユダヤ人迫害の歴史が記されていました。
1391年にスペインのセビリア起こった反ユダヤ暴動がスペイン国内各地に広がりユダヤ人は迫害を受けるようになり、さらに1492年にイサベルとフェルナンドのカトリック両王が「ユダヤ教徒追放令」を出し多くのユダヤ人がイベリア半島から北アフリカに逃亡することに…。そうして逃げてきた人たちがこのシナゴーグを建てた。
高校の世界史の授業でヨーロッパの歴史を学んだ時には、自分をヨーロッパ側に置いて世界を見ていたため、ユダヤ人追放の歴史はユダヤ人がスペインを出たところで止まっていました。
教科書がそうだったと言えばそれまでですが、当時の自分に会えるなら喝を入れたい。
旅の良いところは、いろいろな立場に立ってモノを見たり、共感することが出来るということ。日々の生活では現在と未来について考えるので精一杯ですが、旅行の間くらいは過去と向き合う時間を大切にしたいと思います。
下は現在建設中の香辛料の市場です。調理用のスパイスから芳香剤まで、単体ではとてもエキゾチックで素敵な香りが混在しているので鼻がくすぐったく感じました。重そうな貨物車を引きずって歩くやせ細ったロバの姿が痛々しかったです。
おじいさんが来ているケープは暑さを除けるためのもの。トンガリ帽子付きでRPGゲームに出てくる僧侶のように見えます。
下はKoutoubia Minaretという新市街と旧市街の間にある塔(ミナレット)です。滞在中の数日間何度かこの塔を探して方角を確認しました。
旧市街を散策した後、新市街に向かいました。訪れたかったのがここJardin MajorelleというYves Saint-Laurent(イヴ・サン=ローラン)の別荘です。現在はサボテンなど様々な種類の植物が鑑賞できる植物園でもあり、かつ晩年サン=ローランがパートナーと生活していただけでなく、2008年に脳腫瘍で亡くなった彼の遺灰が撒かれた場所でもあります。
わたしは遺灰がここに撒かれたとは知らずに散歩していたのですが、背筋がスッと伸びる思いがしたのはこのせいかもしれません。
邸宅はJacques Majorelleによってデザインされました。カラッと晴れたマラケシュの青空と背の高いサボテンの緑に負けない原色の青と黄色のコントラストが太陽のようなエネルギーをくれる建築です。
お昼はこちらに併設のカフェでいただきました。値段はヨーロッパのランチ並ですが、とても上品なタジン鍋でした。機会があればお試しください♪
その後旧市街に戻り、マラケシュ在住のスペイン女性にオススメの場所に連れて行ってもらいました。
こちらは小道をくねくね進んでたどり着いたリヤドです。現地人ナシで一人で戻れるか分かりませんが、派手すぎず落ち着いた感じのとても素敵な内装のパティオを見せてもらいました。
下は豪邸内にあるレストランです。場所も素敵なのですが、ガイドしてくれた彼女の方がさらに衝撃でした。細い道を進むにつれて次から次に知り合いや友達が現れ彼女にアラビア語で話しかけたりスペイン語で冗談を言ったり、しかも様々な場所にVIPかのように入れます。素晴らしいコミュニケーション能力です。
モロッコ人とはフランス語やスペイン語でも会話はできるとはいえ現地人の言葉でコミュニケーションがとれるようにならないと外国人扱いのまま。日本のように外国人にも親切ならいいけど、モロッコの人は日々の生活がかかってるので外国人価格で攻めてきます。現地に住んでるのにいつまで経っても外国人扱いはおそらく相当不便だと思います。
こちらは神学学校Medersa Ben Youssefの入り口。観光スポットとして評価の高い場所だったので入りたかったのですが時間に間に合わず、入り口だけ。
最後にMaison de la Photographieという写真美術館を見学し、屋上のカフェでお茶してから自分たちのリヤドに戻りました。旧市街の道は細くて迷いやすいですが、オフラインでも位置情報が分かるiPhoneのGoogle Mapsのお陰で無事に戻れました。
バルセロナでは夜一人で歩いていても、現地に慣れていれば治安の問題はありませんが、モロッコの現地人女性が夜一人で歩いたりするなんてもってのほかだとか。
男女差別がいまだに強く、女性は昼間でも一人でカフェに座ることもできないそうです。確かにカフェのテラスに座っているのは男性ばかり。外国人のわたしたちはカフェに座っても問題ありませんが、ジロジロ見られるので居心地は良くないです。
早くモロッコの女性が自由になりますように。
- Palais de la Bahia