Visual facilitation
今回は「Visual Facilitation」(ビジュアル・ファシリテーション)というトレーニングを受けとても役に立つスキルだと感じたので、学んだことをシェアしようと思います。
Visual(ビジュアル)とは日本語で「視覚の」という意味で、さらに噛み砕くと図やイラストなどを使用することです。Facilitation(ファシリテーション)は物事を容易にすること。両方合わせると、「イラストや図を使って物事を分かり易くすること」となります。
ビジュアル・ファシリテーションが役立つのは例えば以下のような場面です。
・分かりにくいコンセプトを説明するとき
・一連の流れやプロセスの理解を助長したいとき
・ミーティング参加者の集中力をあげたいとき
・楽しい仕事環境・クリエイティブな環境を作りたいとき
・ブレーンストーミングをするとき(色々なアイデアを練り出すとき)
・情報をグループごとにまとめる作業をするとき
わたしの場合は、楽しい仕事環境を作りたいという動機でトレーニングを受けました。ゲーム制作会社というクリエイティブ&アジャイルな環境にいるため、入社したときからわたしの周りには見ているだけで楽しくなるような、イラストやカラフルな色で溢れていて、自分でもそんな環境が作りたい思っていました。
トレーニングは二日間で毎日8時間ペンを握ってひたすら描きました。腱鞘炎までは行きませんが、一日の練習を終えた後は手の筋肉が疲れてキーボードを打つ手がヘロヘロと震えてしまいました。
具体的に学んだのは、ペンの握り方、読みやすい文字の書き方、簡単なイラストの書き方(矢印、人物、その他仕事で使えるイラスト)、タイトルの作り方(囲み)、色の付け方、どの場面でどのようなテンプレートを使うべきかなどです。
幼稚園や小学校、中学校くらいまでは絵を描くのが好きでよく描いていましたが、社会人になってからプレゼン=パワーポイントという頭になってしまっていて、絵を描くこと自体に苦戦しましたが、一日目の終わりにはなんとかここまで辿り着きました。文字が大きすぎたり、線の描き方が雑だったりしますが、汗。
役立つポイントは以下の通りです。
- マーカーはなるべく太い部分を紙面に当てて描くこと、太さを均一にすることが読みやすいビジュアルを作る大切なポイント。
- 影をつけるグレーのマーカーを使うとイラストがよりオシャレになる
- 色を加える場合は2−3種類が良い。色を使いすぎると纏まりがなくなる。
- 文字は遠くからでも読める大きさで書く。
- 異なるトピックはマーカーで囲む(上のイラストのように)。
- 先に文字を書き→イラストを描き→囲む(はじめに囲みから描いてはいけない)。
- 矢印とイラストが被ることは良いこと。あえて被せていく。
アルファベットもこのように線を引いて読みやすいブロック体の書き方を練習しました。わたしは日頃から筆記体を使っていないのでブロック体の練習をするのはそこまで大変ではありませんでしたが、筆記体で書くのに慣れている方にはちょっとシンドイかもしれません。
トレーニングが終わった後は実際の仕事でビジュアル・ファシリテーションの練習の成果を実際の仕事で応用するのみ!
上は初めて描いたHot-air Balloonのretrospective(反省会)用のテンプレートです。Fun retrospectivesというウェブサイトからアイデアをもらいました。
具体的な内容は隠しますが、先ほどのテンプレートを元に、ホワイトボードを使ってあるプロジェクトの反省会をしました。同じプロジェクトに参加しているメンバーからは「思考が整理できて分かり易くて良かった」「楽しかった」というコメントが貰えたので成功と言えます。
こちらは別のトレーニングにビジュアルを応用した例です。コンフリクト・マネージメントのトレーニングを左の同僚と担当しました。
最後に、ストックホルムのチームミーティング用にGround rules(基本原則)を作りました。猫好きが多いチームなので、ビジュアルには猫を多用しました。
子供の頃に大好きだった絵を描くことが大人になってできること、また楽しい仕事環境を会社が認めてくれることもとても嬉しいと感じます。
機会があれば是非ビジュアルを仕事環境に取り入れてみてください!